ケロイドとアレルギーのお話 |
今回は、ケロイドの話です。 そもそもケロイドは何か?の議論ですが、盛り上がって広がった創跡のきたないもの、と考えてください。 もうちょっと詳しく創跡を3つに分類すると、 1:瘢痕(はんこん)=いわゆる、きずあと、のこと。一般的には”瘢痕”といえば、落ち着いたわりときれいな傷跡のこと。 2:肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)=盛り上がった傷跡。ただし、盛り上がりの範囲が、もともとの創の範囲内で盛り上がる。 3:ケロイド=盛り上がった創だが、もともとの創の範囲を越えて、増殖していくような状態の傷跡。 というのが、簡単な分類です。形成外科以外の医者でも2と3、すなわち、肥厚性瘢痕とケロイドを区別することが容易ではないですし、知識も無いのが現状です。なので、一般の外科や内科の外来などで、 ”それは、ケロイドですね、”とか勝手に診断されている患者さんをよく見かけます。また、形成外科のことを勉強していない、美容外科医も同じ間違いを多々してます。情けない。 ーーーーーーーーー さて、本題ですが、アイルランドからの症例報告です。 ●24歳女性、スキンタイプはⅠ(スキンタイプも、そのうち解説します。簡単にいえば、白人の白い肌です)、9歳頃から背中のブラジャーの金具に当たるところにケロイドを認めていた。液体窒素、シリコンシートやジェル、ステロイド注射などしたが改善しない。この患者は、小児期に喘息、花粉症を認めた、とのこと。 ![]() 考察:肥厚性瘢痕の患者に比べ、ケロイドの患者は、アレルギーの病気を持っている人が多い。血中のIgE(=アレルギーなどにかかわる免疫の指標の一種)が高い人もケロイドになりやすい。一般的には、ケロイドは、肌の色が濃い目の人に発達しやすく、外傷、外科手術瘢痕など以外から発生することはほぼ無い。 今回は、形成外科の基本、創に関する内容でした。 PRS vol119 762 Multiple Nonsydromic Spontaneous Keloids in Allergic Diseaseより。 よろしければ、クリックしてください! ![]() ![]() スポンサーサイト
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