ボトックス注射の応用(偏頭痛の治療) |
以前にも書きましたが、しわ取りやわきの多汗症などで使われるボトックス注射で、偏頭痛が改善する、という報告です。 形成外科美容外科のなかで有名なDr.Bahman Guyuronの報告です。 偏頭痛と診断された人の125人で調査した。100人をボトックス注射して、25人を比較とした。 偏頭痛の原因部位とされる部分にボトックスを注射した結果、 ●89人が4週間にわたって改善した。 ●57%の人で、平均フォロー日数の396日よりも効果が続いた。 ●比較コントロール群では、15%偏頭痛は改善する人もいたが、消失した人はいなかった。 ●いままで1ヶ月に4.4日偏頭痛で仕事を休んでいたのが、1.2日に改善した。 ようするに、うまくボトックスを使えば、偏頭痛がかなり改善する、ということです。どこにボトックスを打てばいいかは、1ヶ月おきにボトックスを打って部位を決めた。 ![]() このグラフからも明らかに、すべてが低下していて、効果があるのがわかりますね。 メカニズムを簡単にいいますと、たとえば、コメカミの偏頭痛は、側頭筋(コメカミの筋肉)がその付近の神経を圧迫していると考えられるので、筋肉を弱めるためにボトックスを打つ、という仕組みです。 以上、今回は、しわ取り、わきの多汗症、小顔整形などのプチ整形でよく利用するボトックス注射の応用でした。ちょっと難しい内容です。 PRS Vol115 Comprehensive Surgical Treatment of Migraine Headachesより。 ブログのランキングに参加しています!よろしければ、クリックしてください! ![]() ![]() スポンサーサイト
テーマ:美容・健康・アンチエイジング - ジャンル:ヘルス・ダイエット |
偏頭痛 |
形成外科の本でも偏頭痛の論文が何本か取り上げられている。今回は、その中のひとつを紹介します。 そもそも偏頭痛がなんであるかの詳細は、神経科の先生に任せます。周期的に起こる片側の頭痛の一種です。 今回は、オーストラリアの形成外科医自身が、偏頭痛に悩まされていて、2000年に報告された方法=眉間のしわを作る筋肉(以下CSM)を切る、を自分で試したら良くなったので、60人の患者さんにも治療してみた、というまとめです。 下図がCSMの作用。眉間のしわ。 ![]() 結論的には、28%が完治、40%が基本的に改善、31%がほとんど変わらない、頻繁に偏頭痛が生じる人は治りにくい傾向にある、でした。 手術は、上まぶたのたるみ取りの切開線からCSM筋肉を切断・摘出しに行きます。難しいポイントは、CSM筋肉を支配している神経を損傷しないように筋肉を取り除く。ここが難しいのです。 日本では、美容外科学会などでも、こういう話は、ほとんどないので、ちょっと興味深かったです。この論文は、神経科医も参加しているので、まじめに議論されていました(まじめに議論されていないと論文として成立しませんが、笑)。 偏頭痛は、手術でない方法の論文もありますので、また報告させてもらいます。 PRS vol114 652 Surgical Treatment of Migraine by Corrugator Muscle Resectionより。 |
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